nakajeeのボールベアリングモーターのページ 在職中ネオジウム磁石を使った実験や授業を行ってきました。また様々なWeb上のページ、Youtubeなども調べましたがいずれも f=Bli なる公式、またはフレミングの左手則から説明できると結論し、ここでは磁石を使わず、回転するボールベアリングモーターについて書いていこうと思います。 2014/07/14 初めて公開 更新は下の方に追加します。 |
磁石と磁束の発生との関係を調べます。
棒状の磁石 磁化方向は表裏 |
円盤状磁石 磁化方向は表裏 |
< 画像をクリックして下さい。 こちらは引きずられて回転する。導体中の磁束が変化するから |
画像をクリックして下さい。 こちらは円盤磁石で軸対称表裏方向に磁化されているから微動だにしない |
円盤状磁石は回転はしているが磁界(磁束)は空間に固定されていることがはっきり分かります。世界中で使われている誘導電動機の場合、
逆に固定子は当然固定され、回転磁界でローターを回しています。
以上の実験から次の原理(法則)が成り立つと思います。
原理@
「観測者が存在する座標系に中心軸が固定され、軸方向に磁化された円筒磁石がその軸の位置を変えることなく
回転してもそれが発生する磁束(磁界)はともに回転するのではなく観測者が存在する座標系に固定されている」
ついでにこちらも見て下さい。 約1万rpmです。この後5分ほど継続して回ります。 |
画像をクリックして下さい。 小型のモーターで直線上磁石を高速回転させ近づけました。 |
さて本題のボールベアリングモーターについてです。ボールベアリングモーターとは? 次の動画を参照 youtubeにも沢山出ています。
電流は約30Aです。両端の電圧は1.2Vくらいです。 |
今度は配線をつなぎ替えて左側のベアリングのみを使用します。ベアリングが1個になっても33.2Aで意外と増えません。電圧も変わらず。 |
動画によれば、電力的には40Wですが大部分は熱として消費され、現時点では動力として取り出すのは無理でしょう。
このように低電圧、大電流を必要とします。手元に適当な電源が無かったのでスライダックを利用しましたが熱を帯びて非常に危険なので
絶対にまねをしないで下さい。
この実験では自己起動は出来ませんでした。しかし最初に回した方向に回転すること、直流でも同じことは確認しています。
さて http://abcdefg.jpn.org/makafushigi/ballbearingMotor/cc.html によれば下記の記載があります。
ボールベアリングモーター実験結果まとめ 1)ほんとうに回転した。 (2)5A程度からブルブル振動現象が始まり、場合によっては10A程度から回転する。 (3)低電流の場合、回転させるには、左右どちらかの初速を外部から与えることが必要。 (4)20A程度以上流すと、初速を与えなくとも勝手に回転を開始する場合が多い。 (5)調子よく回っているときは意外にトルクがある。 (6)回転方向は不定で、電流の向きとは無関係である。 (7)直流でも交流でも同様に回転する。 (8)シャフト軸の長さを極端に短くしても同様に回転する。シャフト軸の長さと回転とは関係しない。 (9)ボールベアリング1個の構成でも回転する。 (中島確認済み。) (10)回転による起電圧発生は特に無い。 (11)電流による発熱が大きく長時間の実験は困難。 (12)長時間回すとボールベアリングの油が焼け付き回らなくなる。 (13)回らなくなったボールベアリングに油の注入メンテして手で回した感じではスムースになっても 何故かその後は一切回らなくなる。 (14)注入した電力の殆ど全ては熱になっているため極めて効率が悪いモーターである。 |
さて地球は磁気を帯びていることは誰でも知っています。方位磁針の赤(N極)が北を指すのは地球磁気のS極が北極にあるからです。 上の理屈に従えば地球が自転していようと磁界は空間に固定されているから地球上で高い導体の塔をを立てれば e=Blv に従って起電力が発生するはずです。しかしこれは検証できません。なぜなら測定する装置自体にも同じ e が発生し互いに打ち消し合うから0になるのです。 学生時代に、「走る列車の車輪の中央と外周の間に発生する起電力を求めよ」という問題がありました。もちろん解答も載っていました。 この解答は地球の自転速度など考慮しないものでしたけど。。。 これは 册=B冤况 を積分して求まるのですが、同じく検証不可能です。(Bは地磁気) また車輪の上辺と下辺には車軸を中心とする、列車の速度と地球の自転速度で決まる異なった凾魔ェありますが自転速度の方がはるかに速いので凾魔ヘ同じになります。 そして方向は矢印の頭としっぽがつながった形になりますが、車輪の周囲に沿って 册 を積分した値と同じになるので電流が流れることはありません。 地球上に居る限りまるでお釈迦様の掌の中の議論をしているようですね。 と言っても、宇宙にまでそびえ立つ導体の塔でも結局は一緒です。測定する装置の導線に同じ起電力が発生し打ち消しますから。 電流が流れなくてこの地球は平穏ですね。 今日はここまで 2014/07/15 03:40 |
次のような直線状のベアリングモーターを作って実験をやってみましたがうまく行きません。下図は
説明:FreeSliderはその名の通り。左右に自由に動きます。2ボールベアリングモーターの回転部分に相当します。レールはアルミ
サッシです。
電流は約150A以上流しましたが弾みを付けて動かしてもボールがスライダーに焼き付くだけで、さらに加速することはありませんでした。
原理的には同じはずなのですが考えられる問題は
@機械工作上の問題か(摩擦が多すぎる) |
Aスライダーの慣性質量が不足 |
Bスライダーが非磁性体だった。 |
C固定レールが非磁性体だった。 |
Dスライダーがアルミサッシだったので表面加工が施してあり、導通が無く、 表面をサンダーで削った。結果として微少な凹凸が生じた。 |
なおこんな論文を見つけ、読んでみましたが、ベクトル解析を忘れてしまっている私にはかなり難解です。
本人はこの問題は解決した様なことを書いていますが一部納得できない点があります。
例えば最初起動した方向に回る理由などが書いてありません。自明だと言うのでしょうか。
またこの論文に書いてある参考文献も参照しましたが、これまた数式が難解で途中で止めました。
著者(Kirk T. McDonald プリンストン大学教授 工学?博士)にE-Mailでコンタクトをとりましたが素っ気ない返事でした。
Wikipedia 英語版でも未解決としています。http://en.wikipedia.org/wiki/Ball_bearing_motor
まだまだ研究の余地はあります。頑張りましょう。
以上 2014/07/18 23:44 このページの先頭へ
ベアリングモーターが回転する理由としてボールの熱膨張説がありますが、水中で回るか試してみました。 2014 10 01 |
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動画を見るには右図をクリックして下さい。 ■水中でも、速度が遅くなりますが回ります。 電流は約30[A]です。最初起動した方向に回ります。 直流でも同じです。 水温21°C 空中と同様です。 よって熱膨張説はかなり否定されたと思います。 |
ボールベアリングはどのように回転しているのか確かめてみました。引用元 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%B8%E5%8F%97 | |
中軸は左回転し、接触しているボールの内側周速は中軸の周速と同じです。ボール上の観測者から見れば単に右回転しているだけだから周速はボールの周囲で同じです。 ボールは直径の大きい外側ケースにも接触しているのでボールは右回転しながら中心は左回転移動せざるを得ません。 よって外部の観測者から見れば(外側ケースを保持している人)、ボールの周速は内側接触部分ではボールの中心移動速度が加算され、外側接触部分では減算されます。 半径がボール⇒内軸⇒外側ケースの順で大きくなりますから、角速度の絶対値はこの順で遅くなります。この場合は外側ケースが固定されているので角速度0です。 図1’はボールの中心を固定した場合のGIFアニメです。引用元 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8A%E6%98%9F%E6%AD%AF%E8%BB%8A%E6%A9%9F%E6%A7%8B |
図1 図1’ |
図1のボールの接触部を微視的に見た図が図2です。 微少時間凾伯o過後ボールの中心に位置する観測者から見れば図3の様になります。 。、 |
図2 図3 |
ベアリングモーターに立ち返って見ると | |||
図2から図3へ変化する期間を考えます。 ここで電流 I が内側軸から、外側ケースへ流れているとするとビオサバールの法則によりボール中に B なる 磁束を生じます。(最上図Small Path) 外側は空気で非磁性体ですから B はほぼ0です。 磁束の大きさを赤青のグラデーションで表現してい ます。図の上下で向きが異なり強さは中心からの距離に反比例します。 前述の原理@が円筒でなく、同じく軸対称な球でも成り立つとすると(成り立つはずです)この磁束はボールの回転に 無関係に空間に固定されています。 @最上図で2カ所の四角の電流通路(Small Path)を考えます。鉄ですから導体です。 Aボールは、中心は固定してますが、右回転していますから、フレミングの右手則により、矢印の向きに電流が流れま す。(current) Bこの電流と磁束の相互作用でフレミングの左手則により矢印の向きの力が発生します。(Lorentz Force) Cそうするとボールは左回転しようとします。(Rotating Torque) |
図4 |
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結論:図1の回転方向と反対の結果が出てしまいました。@〜Cの推論のどこかに誤りがあるはずです。ですがこの推論には可逆性があります、つまり 初期回転方向を逆にすればその逆の回転力が発生します。ACでもDCでiいずれの方向にも回る説明が出来ると言うことです。皆さん、右手、左手をコネクリ回しながら検証 して下さい。もし向きに問題が無ければ、最下記のメルアドへメール下さい。(.JPGなので手で入力して下さい) |
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向きの問題とは別にもう一つ、大きな謎があります。それはネオジウム磁石の項 ../jikkenneojiumu.html#e で記した 原理A 「ローレンツ力 F=BlI(ビーエルアイ)は電流が流れている導体と磁束発生源との間に働く相対的な力である」 における 電流が流れている導体 と 磁束発生源 が物理的に同一の物体になってしまっている点です。つまり、上記 相対的な力 という言い方が 出来なくなっています。 私は悩んでいます。 良い解決方法があればご教示下さい。 ベアリングモーターの動作原理解明にかなり近づいているつもりです。 私自身ももう少し実験を重ねます。 @ボールは非磁性体でも良いのか?(ステンレスボールベアリングと称する物を購入して実験しましたが磁石にくっつきました。鉄分が入っていた様です。 回りました) 銅球を手配していますがベアリング作成が自分で出来ないかも? A内側、外側は非磁性体で良いのか? 水銀を使おうと思っています。 B直線型のボールベアリングモーターは存在するのか? 上の方でやっていますが、何分摩擦が大きくて実験になっていません。 2014/10/05 |
少なくともボールは磁性体で且つ導電体なければならないと考えています。
水銀をボールベアリングのボールに置き換えて実験しましたが水銀は動きませんでした。磁性体でないと駄目なようです。 |
実験環境:直径30mmのボールベアリングからボールを取り出しボール部に水銀を流し込んだ。 2014/10/13 |
次の考え方は無理でしょうか? | |||
つまり、図4の Lorentz Force はボールの中心軸が固定されているために反力が図5の様に外部に対して働くので はないか? こう考えれば Inner Race は左回転し Outer Race は右回転する、その結果ボールは右回転する。Inner RaceとOuter Race の半径の違いから必然的にボールの中心は左回転する。 |
図5 |
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このように考えれば、 原理A 「ローレンツ力 F=BlI(ビーエルアイ)は電流が流れている導体と磁束発生源との間に働く相対的な力である」 を満足します。また木村先生のネオジウム磁石を用いた磁石と導電体を一体化した場合のリニア単極モーターの実験結果 @コイルの巻き数を増やしても加速は変わらなかった。 A磁石の置き場所を変えても移動方向は同じだった。 とも整合が取れます。 つまり、木村先生の上記の実験ではいずれも、磁石と導電体(電流)が一体化しているので発生するローレンツ力は行き場所がなく、可動部分であるボール、結果的にボールとレールに作用したと考えるわけです。 上記 2014/10/13 の水銀を用いた実験では磁性体でないために、発生する磁束の量が少なく回転力もほとんど観察出来なかったようです。 |
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この考え方に依れば 2014/10/05 の3つの予想は @ボールは磁性体でなければならない。 A内側、外側は非磁性体で良い。 B直線型のボールベアリングモーターは存在する。 に修正することになります。 以上の3項目を検証すべく実験を重ねる予定です。 それから、ネオジウム磁石やベアリングモーターの各種実験を通じて 作用・反作用の法則は普遍的 なものだと思います。 これは木村先生の考えと異なりますが私はそう思います。 ファインマンの作用反作用のパラドックスがありますが、それには解答が載せてあり、やはり成立することが書いてあるようです。 2014/10/14 |
私たちがやっているのはこんな編集された非現実的な世界の問題では無いことを認識しておきましょう。⇒ http://youtu.be/qHFr1_md3Ok
記事の間違いはやご意見はまでお願いします。