ここではネオジウム磁石を使った各種実験を記します.。 |
ファラデーの単極モーター(Electromagnetic Self-rotoまたは,Homopolar_motor)の不思議について皆さん、いろいろ研究してあるようですね。 右に回った、左に回った、回らなかった、速かった、遅かった。。。。 ちょっと検索しただけでも http://sysplan.nams.kyushu-u.ac.jp/gen/hobby/elec/Motor/UniMotor.html http://www.kodenjiki.com/hp_motor_kai.html https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=JtT-24ber5I https://www.youtube.com/watch?v=SAn6KzEllBw&feature=player_embedded http://matome.naver.jp/odai/2137536865520475401 http://www.eneene.com/omoshiro/07faraday2/ 外国では http://www.noonco.com/perpetual/ https://www.youtube.com/watch?v=2r6ZiJ8z7fY 外国のWikipediaでは http://en.wikipedia.org/wiki/Homopolar_motor 数え上げたらキリがありません。 |
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私は以下に示す原理を適用すればネオジウム磁石関連の問題は解決するように思います。 原理@ 「観測者が存在する座標系に中心軸が固定され、軸方向に磁化された円筒磁石がその軸の位置を変えることなく 回転してもそれが発生する磁束(磁界)はともに回転するのではなく観測者が存在する座標系に固定されている」 この実験的検証の動画は ここにあります。 また 「磁石の真上と、横では磁力線の向きが違う」 と言うことです。磁石に関する実験を行う際には常に気を付けておかねばなりません。 それで、ネオジウム磁石を使ったおもしろ実験には見切りを付け、今はボールベアリングモーターに取り組んでいます。 |
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右図は円筒磁石の磁界分布を示しています。 角形でも同様です。 どこにもありますが、意に添うようなのが無かったので作成しました。 |
図1磁力線の向き | |||
図1を正面から見れば図2の黒矢印の様に磁界は分布しています。電流を a の様に流せば向こう向きにローレンツ力 f=Bli が発生します。同様に b の様に流せばこっち向きに力が働きます。(フレミングの左手の法則 やり方によって回転方向が変わるのはどちらを利用しているかに依ります。 回転力が変わるのは丁度 a,b の中間近くを利用した場合です。 それから考えておかないといけないのは先に挙げた原理です。 原理@ 「観測者が存在する座標系に中心軸が固定され、軸方向に磁化された円筒磁石がその軸の位置を変えること無く回転してもそれが発生する磁束(磁界)はともに回転するのではなく観測者が存在する座標系に固定されている」 上の実験的検証の動画はここにあります。 |
図2 磁界の様子を典型的に表示1 |
左の実験的検証は下の動画を見て下さい。 赤クリップは+側です。 図3 |
また上図 b の電流を紙面の裏から表へ流すやり方もあるでしょう。(右図参照)もちろん逆も。 この場合、図では右向きに力が働きます。 フレミングの左手則をいじくって下さい! |
図4 磁界の様子を典型的に表示2 |
左の実験的検証は下の動画を見て下さい。 赤クリップは+側です。 | |
図5 |
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一般的に言えることは、2つの物体の間の相対運動であることが絶対条件になります。磁石か導線のいずれかが固定で、一方が動くか、両方動くかです。 つまり周りに何も無いところでの空中ブランコみたいな運動は発生しません。 |
図2を 検証してみました。 右は準備した部品です。シャーレ-は灰皿を流用しました。 ネオジウム磁石は2個使用しました。 ボールは鉄製で位置決め用です。 導電体なら何でもかまいません。 ガードリングは、外の流れと、内側の流れを分離するために置きました。導電体なら何でも良いです。 |
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色を付けた食塩水を入れる前です。 ネオジウム磁石は灰皿の裏、表から 吸着させました。 クランプ電流計をつないでいます。 動画では、リセットをかけましたが少し流れています。(0.05A) |
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流れが分かるように食塩溶液に色を付けたものを 入れました。 |
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次の動画を見る前に右図を参照して下さい。 右図は下の動画中、電流の流れる方向を青で示しています。 結果として生じる力を 矢(○、×) で示しています。 |
図6 |
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右が動画です。右上の図のように力が働き、外側の溶液は左に回転し、内側の溶液は右に回転している様子が分かります。 内側の流れが少し弱いようですが。 よく観察するとガードの外側でも、下の磁石がはみ出しているので、右回りの流れが外の左回りと合わさって渦を形成しているのが見えます。 電流は0.6Aほどでした。 |
上の動画は磁石上部の流れがうまく撮れていなかったので再度撮影しました。 | |||
右は設定です。赤は電源の+側。 磁石の回りには外と内の流れを遮断するための銅環。 |
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右の画像をクリックすると磁石上部と側部の流れが逆であることが明瞭にわかります。 | |||
2014/10/01 |
上述、図7,8、9の説明の青色で書いた部分は磁石の周囲の磁気力線分布が如何に微妙であるかを示しています。電流素片は単独では存在できず必ず ループを構成しますから、フレミングの左手則における磁束と電流素片との相互作用によるローレンツ力の内、電流素片のどの部分が実際の物理的動きに大 きく寄与するかを常に考える必要があります。 逆に言えば、電源から今注目している実験対象への配線がどのようなルートをたどるか、その途中に実験対象磁石からの漏れ磁束が無いかなどを熟 慮しないと誤った結果を出す可能性が高いです。 更新 2014年 09月 28日 |
ローレンツ力の相対性確認とアンペアターン増加による力の増大 | |||
さて図10では磁石は表裏方向に磁化されており上がN極です。電流は10[A]です。比較的動きやすい小さな磁石 を使いました。すみません、図7,8,9と磁石の極性が逆になっています。 図をクリックすれば動画を見ることが出来ます。 導線には左向きの力が働くが図7,8,9と異なり、固定されているので磁石が右向きに動きます。 以上によってローレンツ力の相対性(作用・反作用の法則)が確認出来ました。 ------------------------------------------------------------------------------ 原理A 「ローレンツ力 F=BlI(ビーエルアイ)は電流が流れる導体と磁束発生源との間に働く相対的な力である」 右の動画で分かるように導線が固定されていれば反作用として磁石が動きます。 九州大学木村先生( http://sysplan.nams.kyushu-u.ac.jp/gen/hobby/elec/Motor/UniMotor.html )の 単極リニアモーター をよく見るとボールが右に転がり回転しながらネオジウム磁石を乗せた台車が右に移動しています。 ローレンツ力は磁石とボールとの間に働いているのです。ボールは回転体ですから右に力が働けば 手前から見て必然的に右回転して右に動きます。 もしネオジウム磁石を積んだ台車を固定すればレールが左に移動するはずです。 但し私は実験していません。 九州大学木村先生は巻き数を増やして磁石直下を通る総合的な電流を増やしてあります。 また、磁石の位置を反対側コイルの上に移してあります。両方とも移動速度と移動方向は変わっていません。 これは、ローレンツ力は磁束発生源である磁石とボールとの間に働いていると考えれば当然の帰結です。 何故なら導線と磁石は一体化しているのですから,動きようがありません。 最後の動画 LinearUniMotorF2.mpg (約2秒,559KB) 磁石を導体の上に乗せただけの場合の動作2 を見れば磁石が固定されていないので置き去りにされ相対的に質量の小さい銅板が右に動くのが分かります。 向きに関しては、@磁石直下の電流と磁束の方向、A外側の逆方向漏れ磁束と外側の電流の間に働く フレミングの左手則によるローレンツ力の和に一致しています。これは磁石エッジ部の磁束の方向の不確定性 (図7,8,9)のためボールを貫く電流と磁束の方向に依って決まるローレンツ力が偶然ボールを右に動くかす よう作用したと考えざるを得ません。追試を行いたいのですが、木村先生が多大な費用と時間をかけて実験装 置を制作してありますから、これまでの成果を活かす方向で実験を進めたく思います。 |
図10 |
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図11では導線の巻き数を2回にしました。電流は10[A]同じです。右へ飛び出す速度は倍増します。 図をクリックすれば動画を見ることが出来ます。 このとき、大事なことは巻き線の「横幅 L 」を十分大きく取って磁石の外側を逆向 きに通る磁力線の影響をなくすことです。 |
図11 |
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木村先生の悩みを解決できたような気がします。 l 更新2014 09 28 |
基本的なワイヤーモーターから(写真をクリックして下さい) TVでも紹介されたと聞いています。 |
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図1で電池の下のネオジウム磁石は上がN、下がSに磁化されているとします。 ■電流は電池の+極からワイヤー(導線)通って下へ行き磁石(良導体)にワイヤーが接触することによって磁石の周囲から中心方向に流れ(赤矢印)、次に磁石の中心から上へ行き−極に入ります。 ■磁石の内部には下から上方向に向かう磁束(青矢印)があり、電流と直交しています。 ■よってフレミングの左手の法則により図2の黒矢印の方向つまり上から見て左回りの力が磁石に働きます。 ■しかし磁石は固定されているので反作用でワイヤーが上から見て右回りに回ります。 ■フレミングの法則を忘れた人は図3を見て下さい。 ■図4にはより大きく示しています。なお磁石のNSは文房具店に売っている方位磁針で確認できます。 |
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■図4は拡大図です。 追記2014/8/4ネオジウム磁石自体は非導体の様です。電流はニッケルメッキされた表面を流れます。 |
ワイヤーモーターの作り方 | |
部品集め: 1.ネオジウム磁石小: 通販 ネオジウム磁石 φ7×3 (株)サンギョウサプライ ¥57 2.ネオジウム磁石大: 通販 ネオジウム磁石 φ14×7 (株)サンギョウサプライ ¥352 3.4mmナット:ホームセンター 4.単3乾電池:ホームセンター 5.銅線、錫メッキ線。(エナメル線は被覆をはがないと駄目です):ホームセンター 作り方:基本的にはこの動画を見てください。 1.ネオジウム磁石大の上に乾電池を乗せ、 2.乾電池の+極の上にネオジウム磁石小を乗せます。 3.さらにナットを上に乗せます。この部分はワイヤーモーターが落ちないようにする工夫です。 4.ワイヤーモーター本体の下側は適当な丸棒に銅線を巻き付けて輪っかにし、ネオジウム磁石の直径の2倍くらいにしておきます。 5.上側は逆さま凸状にしとがった部分はナットに余裕を持って入るようペンチで圧縮します。輪っかの反対側は重心のバランスを取るため輪っかの近くまで伸ばしておき、後で切ります。輪っかの外に来るようにしてください。 6.輪っかの部分の高さを調整し、電池の上に乗せた状態で輪っかがネオジウム磁石のちょうど真ん中あたりに来るようにしますと勢いよく回ります。 7.回転状況をよく見ると輪っかがネオジウム磁石に接触するときに小さな火花が出ているのが分かります。これは電流が流れている証拠です。この電流によって回転力が発生します。 |
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■応用編 ■全体をひっくり返してワイヤーを手で握って固定したら? 磁石と電池が見事に右回転しました。(画像をクリックすると動画が見えます.但し live なので音声が入っています。) |
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■今ひとつの作品は、上から電池 磁石 電池 磁石と4段重ねのモーターです。ワイヤーは連続した一本線の一筆書きです。モーターが2台直列になっている分トルクも大きいようです。画像をクリックして下さい。 |
円盤状磁石の直径を短くして回転数を上げてみました。2万rpmまで上がりました。怖いほどです。(動画は画像をクリック) |
さて次の動画を見て下さい。
このように横に並べれば最も遅くなります。 |
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